続きです。
熊野本宮大社へ。静かです...本当に。
本殿への石階段を登る時、なんともいえない身の引き締まる感じ。
神々しいです。
ここまでの道路も、片側車線が洪水にえぐりとられたり、
土砂まみれの車が幾台も取り残されたり、家々が倒壊していたりと、
台風の被害をいたるところで体感できました。
そして、熊野本宮大社の近辺、いつもは多くのお店や宿で賑わっていたと想像しますが、
この日はお店はまったくやっておらず、休業の張り紙ばかりでした。
ここまで来る311号線も、片側通行を余儀なくされ、
長い峠道を上り下りが交互に走ると言うなんとも大変な事態。
自分の番まで20分くらい待ちました。
そして、新宮へ下る178号線も冠水のため利用できず、
海岸線への道路はこの311号線しか無い状況。
早い復旧を心から祈ります。
〜〜〜〜〜
そして、ようやく新宮へ到着。
すでに夕刻に近かった。。
このままだと、潮岬で夕陽が拝めないのでは...
と軽いプレッシャーを感じつつ串本町へ移動です。
海岸線は小さな港が幾つもあって、
入り江も岩も表情豊かで楽しいドライブ。
・・・間に合ったー!
そして、本州最南端に到着。
ここには、キャンプ場もあって、バイカーがやたら多いです。
そして、夕暮れ時になるとどんどん集まって来て
テントを張りキャンプが始まっていました。
少し下って(5キロくらい)串本町に行けば、
食材も飲み物もあるので、自分も買い出しして、
翌日の日の出に備えることにしたのですが、これがガンでした。
とにかく虫が多い(特に噛む虫)。
若干気温が高いから窓明けるとブンブンと入ってくるし・・・。
虫除け持ってくるべきだったと後悔したけど後の祭り。
夜トイレに行ったら、タヌキ(?)たちが数頭でキャンプのごちそうにありつこうと
取り巻いていました。おそるべしネイチャーパーク潮岬です。
結局あまり寝れずに朝を迎え、逆に寝過ごして朝日が見れない・・・
という状況が無かったことは幸いでしたが。
バイカーたちはどうやってこの難をやり過ごしたんだろう...。
●3日目
ということで、虫達と大格闘の末迎えた朝日!
奇麗だ。神々しい。ちょい感動...涙が。
予め買っていたパンとコーヒーで朝日を眺めながら朝食。
バイカー達も朝日を拝んでました。
しばし余韻に浸って、いよいよ本丸伊勢神宮へ向かい登ります。
途中、昨日は夕陽に間に合わせるため見れなかった橋杭岩で小休止。
朝日に照らされる橋杭岩は何とも言えない美しさ。
BRYCEみたい(笑)。
そのまま遡上(?)を続け、那智勝浦でお目当ての中の島温泉へ。
那智勝浦港から送迎船に乗って、入り江に浮かぶ小島へ渡ります。
こ・こ・が・最・高!
ホテル自体は、いたってシンプル(失礼!)な外観と内観ですが、
お風呂は本当に最高です。露天と内湯がありますが断然露天です。
硫黄の香りする塩化物泉で少し白い濁り湯です。
目の前に湾の海が広がり、漁船がポンポンと目の前を通過して行きます。
湯船のすぐ下は波打ち際で、お風呂にもフナムシがちょろちょろと。
だけど、すごく綺麗に掃除がしてあって、荒れた感じは微塵もありませんでした。
泊まりで来たいなぁと思わせる景観です。
湯が湧き出す所から徐々に熱い湯→普通の湯→温い湯と湯船が仕切られて、
温い湯が好きな僕は波打ち際に一番近い湯船に浸かって、朝の海をみながらうたた湯です。
また送迎船に乗って港に着くと何やら市場でイベント開催中でした。
これは行くしか無い!ということで覗いてみると、那智勝浦は生鮮マグロの漁獲高が日本一だそうで、マグロ祭り(?)をやっていました。
奥では、マグロのカマを網で焼いているコーナーがあり、もちろん食べます。
網の隣では、箱詰めされたマグロがポンと置いてあって、店の人が、
「これが築地に行くと100万の値がつくんだよ!」と言ってました。
そして、お目当てのカマ焼き!
なんと400円という破格で、お吸物もサービスしてくれました。
隣のおっちゃんは、カマ食べながら朝からすでにビール飲んでます。
うらやましい。
人はそれほど多くはなかったけど、
お客も市場の皆さんも生き生きとしていて、純粋で、今までいた文化圏とは違う人間社会「本来」の在り方に出会った気がしました。
カマ焼きの方はというと、それは採れ立てのマグロのカマを炭火で焼いてるんだもん、美味しくない訳が無いですよね!
あー、ビール飲みたい。
と心から思いました。
後ろ髪を引かれつつ、那智勝浦を後に。。
お腹も身体も満足したので、次は那智大社へ。
熊の三大大社の2つ目です。
台風の被害が最も大きかった地域のひとつです。
那智の大滝のニュースは連日のようにテレビで見ていましたし。
そして那智の大滝へ到着。
滝壺に広がる大木や岩は、台風で崩れてしまったもの。
正面の優雅な滝の流れからは想像もしない滝壺の様相に言葉が詰まります。
那智大社も工事をしているところが所々あって、
まだまだ復旧への道のりは掛かりそうな印象でした。
那智大社 三重塔。
那智の大滝をバックに。
それにしても、階段キツい...運動不足な自分です。
そして、次は新宮にある、熊野三大大社 速玉神社へ。
第一印象は、大きな町中にあることもあり「観光地」という印象でした。
深紅に塗られた壁や柱はとても綺麗で、ついさっき建造されたような印象です。
それに、BGMに流れる車の行き交う音やなんとなく感じる街の空気。
熊野三大大社を参じまして、再び遡上を再開。
熊野〜尾鷲〜紀伊長嶋を経た頃には、日も暮れ始めました。
本丸の伊勢市まで30キロ前くらいの道の駅 おおだいにて3日目終了。
この道の駅は、それこそ街のど真ん中 役場の隣にあって、
でっかいスーパーもあるし、コンビニもあるし、食べ所もあるしで
超便利なスポットです。
夕ご飯も食べておやすみなさい。
●4日目
やはり日の出前に目覚めてしまった。
コンビニに寄っていざ伊勢市へ。。
そういえば、紀伊半島でのコンビニは9割以上がサークルKでした。
たまにファミリーマート、まれにローソン・・・セブンイレブンには出会えず。
Twitterで情報もらったのですが、セブンイレブンなど他のコンビニチェーンの参入が出遅れたためほとんどサークルKだそうです。確かに、ほとんどサークルKでした。
途中、玉城町で日の出を迎えました。
そして朝7時くらいには伊勢神宮内宮へ到着。
早朝という事もあって、本当に神々しい。
背筋が伸びる感触を直に感じながら宇治橋より内宮さんへ。
後になって知りましたが、僕たちは「伊勢神宮」と呼びますが、
こちらでは「神宮さん」なんだそうです。
明治神宮は明治に作られたからそう呼ばれるそうで、
ここは全ての「神宮」の始まりなので「神宮さん」と呼ぶそうです。
そして、内宮・外宮は、「内宮さん」「外宮さん」と呼びます。
日本の信仰の発祥地です。
訪れた時は、タイミングよく神馬(しんめ)見参の刻で、
貴重な瞬間に立ち合えました。
内宮さんの中は、大樹に囲まれた砂利道を進みます。
その中に、様々な別宮・摂社・末社・所管社があり、
あるべき所に静かに鎮座していました。
大樹の葉間から地面に届く日の光に、なぜか心を見透かされているような気分になる、俗な自分です。
本当に神々しいところでした。
この日の夜、御飯何処のマスターから聞いた話。
内宮さんで使われた樹齢何百年という大樹の柱や壁板は、
古くなっていたんだ部分を削り、伊勢やその他の神社やお寺の鳥居や
壁板にどんどん降りて行くとのこと。
そうやって、後世何十年も、身は細くなりながらも受け継がれて行く。
これは素晴らしいことだと思いました。
帰りは、おはらい町、おかげ横町を堪能。ここで初めて「伊勢うどん」を食べました。
ほわほわしてコシがない・・・うどんというとコシがあるもんと思っていた観念ががらっと変わります。
汁は少なく、浸かるというよりかけるという感じで、甘辛く濃いです。
これもおいしい。
続いて、少し離れた所にある外宮さんへ移ります。
回りには普通にビルがあり、学校があり、公園がある伊勢市です。
・・・続きは次へ。